沖縄マツダ販売株式会社は10日、プレス向け試乗取材会を北谷店で開催。取材会ではマツダ株式会社本社から、パワートレイン開発本部の仁井内進副本部長、新型ロードスター開発の山本修弘主査、商品本部の富山道雄開発主査、デザイン本部シニアスペシャリストの松井貴宏氏ら豪華な顔ぶれが揃った。
【取材・試乗】豪華な顔ぶれ!マツダ車の開発メンバーが北谷店に集結!
マツダは「SKYACTIV(スカイアクティブ)」と総称されるクルマ作りの最新技術を作り上げており、これによって人間(ドライバー)が運転をより一層楽しめるように工夫されている。
「人間(ドライバー)を中心に置き、人間ができない部分をクルマが肩代わりする。」と解説するパワートレイン開発本部の仁井内進副本部長は、これまでマツダ車の心臓部となるエンジン開発に携わってきた。
今までは「エンジン開発」「生産技術」など各分野で役割分担されており、それぞれの目標達成がゴールとなっていた。しかしスカイアクティブのプロジェクトが始まってからは、皆が「クルマを創る」という意識に変わったという。
また、スカイアクティブ以外にも「魂動」というデザインコンセプトを掲げている。これは、動物のように強い生命感と、速さを感じる動きを車に表現させることを目指しており、それを実現させるために、様々な工夫が行われたという。 今まで行っていたデザインを大幅に刷新すると同時に、モデルを作るときからデザインをしっかり考えて、より美しいデザインが生み出されるようにし、さらにスカイアクティブなどの技術と併用することで、デザインはより滑らかさを加えられることとなった。ロードスターの開発秘話と試乗
ユーノスロードスターから見てきた私にとって、ライトウェイトスポーツカーといえばやはりロードスター。4代目ロードスターとなっても、初代モデルを継承しつつ、軽量化やコンパクト化、構造革新などの進化を果たしている。
新型ロードスターの開発主査を務めた山本修弘氏は、4代目ロードスターのモデル段階から、別部門の従業員を集め「共創」することを重視したという。これはマツダ史上初めての事だったようで、これで皆の意識が1つになったという。会話の中で、「工場」ではなく「工房」と表現していた所がなんとも印象深かった。
ロードスターのボディカラーは全7色。なかでもソウルレッドプレミアムメタリックは、マツダを象徴するボディーカラーとなっており、他にもセラミックメタリックやジェットブラックマイカ、メテオグレーマイカ、ブルーリフレックマイカなどがある。
今回試乗したのは6MTで、クラッチも滑らか、加速の伸びもやはりATとの違いを感じた。ちなみに6速用のATも用意されていた。6MTはマツダならではのこだわりの逸品で、SKYACTIV-G1.5のエンジンが搭載されている。
安全性では、警報システムが充実していて、車線逸脱警報システムや、ブライングサポートモニタリングという急激に車が近寄った場合に警報がなる仕組みが備わっており、安全に運転を楽しむスポーツカーとして考慮もされているという点もポイント。
見るものを一瞬にして魅了する魂動デザインで、どこから踏んでも心地よい加速フィーリング。ソフトトップの操作も簡単で、女性でも座ったままで開けることができる。
オープンの状態で風を切って走るのは、やはり気持ちが良い。これはオープンカーの中でもロードスターでしか得ることのできない風の感じ方だろう。
CX-3の開発秘話と試乗
2015年2月に鳴り物入りでデビューした、マツダ渾身のコンパクト・クロスオーバーSUV「CX-3」は、同年12月に早くも一部改良を受けパワーアップした。
まず、好評のクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」は、上位グレードのみに設定されていた、ディーゼルエンジン特有の雑音を打ち消す独自技術である「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が全グレードで標準装備になった。
フロントドアガラスは従来型よりも若干厚みを増し、走行時の風切り音などのノイズを軽減することで車内の静粛性を向上させている。
走りに非常にこだわるマツダは、ユーザーから寄せられた意見を即座に一部改良に反映させ、ダンパーやスタイビライザーにも手を加えることで走行性能をさらに上質に、安定感を向上させた。
さらに、DE精密過給制御を改良してエンジンのトルク応答を最適に調整、電動パワーステアリングの制御にも手を加えたことで操縦性が向上し、マツダが一貫して目指している「人馬一体」のコンセプトを強力に推し進めている。内装にも手が加えられており、上位グレードの「XD Touring L Package」には黒革内装が追加されている。
兄弟車であるデミオはスカイアクティブ・テクノロジーを採用したガソリンとクリーンディーゼルの2種類のエンジンだが、CX-3はクリーンディーゼルエンジン一本のみとなっている。CX-3の開発主査である富山道雄氏は「ガソリンという選択肢は無かった」と力説する。裏を返せば、マツダのクリーンディーゼルとスカイアクティブ技術の自信の現れが前面に押し出された形なのかもしれない。
コンパクトながらも力強いパワーとトルク感をもたらし、軽快な加速からぐんぐん伸びていき、坂道も力強く登っていく。6速ATとの相性も良く、マニュアルモード付きなので積雪路のぬかるみからの脱出や山道の走行などに威力を発揮してくれるという。
空力性能も考え抜かれており、どっしりと安定感のある走りが楽しめる。マツダ独自開発の新しい4WDシステム「i-ACTIV AWD」は瞬時に道路や走行状況をダイレクトに感知して前後輪を自動的に制御、舗装路から雪道・凍結路まで安定した走りをもたらす。
車内インテリアのデザインや車内空間はデミオとほぼ同等、後部座席の足元空間はデミオ同様若干狭めですが座面を若干上げており、後部座席からも前方の見晴らしが良くなっている。これは、小さな子供のいるファミリー層でも会話が弾む車室内空間が意識されている。
荷室は350Lとデミオよりも広く、様々なシーンにぴったりなサイズ、使いやすさ、室内空間となっており、コンパクト・クロスオーバーSUVとして新たな境地を切り開く。
取材協力:沖縄マツダ北谷店TEL:098-989-6650